2019年7月30日火曜日

老後資金不足額2000万円問題にどう対処するか?

参院選で争点の一つにもなっている老後資金問題。注目されているのは、2000万円を年金とは別に自分で準備しなければならないという点です。

老後2000万円不足で"副業過労死"する日」などという記事も出ています。

きっかけとなった金融庁の金融審議会市場ワーキング・グループの報告書は、公的年金を補うため、早い時期から自助努力での資産形成を促すことが本来の趣旨でした。

今回の話で、「国の責任放棄だ」「年金がもらえないのか」といった批判がありますが、それらはおおむね間違いです。なぜなら、公的年金はまず破綻しないからです。今回の報告書もそうした指摘をしたものではありません。給付水準は引き下げられますが、それによりむしろ破綻リスクは回避されます。また平均寿命の延びを勘案すれば「毎月もらう分が減っても、長く受け取る」ことになるので、そうそう不利益な話ばかりではありません。

実際、世の中にはもっと少ない資金で生活している人もたくさんいます。でも、それだけでは旅行に行ったり、趣味にお金を使ったりという楽しいことはなかなかできません。私たちは老後に食事をする余裕もなくなるから2000万円をためるのではありません。むしろ、映画を見たり、美術展に出かけたり、時々旅行に出かけたり、孫にプレゼントをするような「生きがい」や「ゆとり」のために2000万円を使うのです。

2000万円が妥当かどうかは別にして「働いて稼ぐなり、若いときから蓄えを持つべく国民自身の努力も重要だ」ということを述べているように思えます。

報告書が一例として示した不足額2000万円を資産運用で作るには、様々な税優遇制度の特徴を理解し、併用することが重要です。



老後資金作りのためには、確定拠出年金(DC)を活用し、さらに少額投資非課税制度(NISA)を併用するのが重要です。


確定拠出年金(DC)は運用成績しだいで将来の受取額が変わるものです。個人型(iDeCo=イデコ)と企業型があり、ともに運用時に非課税で増やせます。イデコはさらに掛け金が全額、所得税・住民税の対象から外れ、税金が減る利点があります。会社員の場合、最高年27万6000円(他に企業年金がない場合)を掛けられ、税率2割の人なら節税額は年5万5200円になります。企業型DCの導入企業に勤める人は、規約で認める少数の場合などを除きイデコは利用できません。

企業型は掛け金も口座管理費も会社が原則負担してくれるのでイデコより不利なわけではないが、掛け金が少なかったり高コストの投資信託しか選べなかったりすることもあります。

NISAは年間上限額120万円・非課税期間5年の一般NISAと、同40万円・同20年のつみたてNISAがある。同じ年には併用できずどちらかを選ぶ。