2019年7月16日火曜日

個人データ乱用には公取委が独禁法で改善命令?

IT大手によるデータの寡占が進むなか、欧米を中心に個人情報を保護する動きが強まっています。欧州連合(EU)は個人情報を強く保護する一般データ保護規則(GDPR)を導入しています。

ドイツ当局は2019年2月に、フェイスブックによる利用者からのデータ収集を「支配的地位の乱用にあたる」と判断しました。また、フェイスブックの個人情報の不正流用では、米連邦取引委員会(FTC)が50億ドル(約5400億円)の制裁金を科す方針です。

日本では、米グーグルや米アップルといった「GAFA」などプラットフォーマーと呼ばれるIT(情報技術)大手による個人データの不適切な収集・利用を防ぐため、公正取引委員会が規制案を検討しています。

インターネットサイトでの購買履歴や位置情報を含め、個人データを同意なく利用すると独占禁止法の「優越的地位の乱用」にあたると示す見込みです。不適切な場合は改善命令を出し、支配力を高めるIT大手から個人を守る仕組みをめざします。

公取委は、個人データには経済的な価値があるとし、企業向けに活用してきた独禁法を個人向けにも適用します。

独禁法は、強い立場を利用して取引相手に不利な条件をのませることを「優越的地位の乱用」として禁じています。

「優越的地位」に当たる場合


指針ではまず、どんな企業の場合が「優越的な地位」にあたるかを整理しました。ネットモールや検索などで、ほかに代替可能なサービスが存在しないか、あっても簡単には乗り換えられない場合です。

「優越的地位の乱用」に当たる場合



  • プラットフォーマーが利用目的を知らせず利用者に個人データを提出させる場合
  • 個人情報の取り扱いに関する規約を明らかにしていても、長文で専門用語が多く利用者が理解しづらい場合


指針案では対象とするデータを「消費者個人と関係する全ての情報」と明記。住所や氏名だけでなく、サイトの閲覧や購買の履歴、位置情報も当てはまります。こうしたデータは個人の嗜好に沿って効率を高める「ターゲティング広告」などでIT大手にとって利用価値が大きいものです。

独禁法違反と判断した場合、「排除措置命令」と呼ぶ改善命令を出します。違反行為をやめさせて再発防止策を求めるほか、課徴金を課すことも検討します。