マンション「高すぎる」問題
2019年10月に迫った、消費増税。駆け込み需要を期待する見方もあったが、同年1~6月の新築マンション販売戸数はバブル崩壊後の1992年以来の低水準だった。
マンションを買いたいが、価格が高くてなかなか踏み切れない人が増えている。都区部のマンションは価格が高く、手が出せないという。
新築マンションはなぜ高止まりしているのか。用地不足も深刻だ。以前は工場や倉庫の跡地をマンション用地にしていたが、最近は新しい土地がなかなか出てこない。土地の値段が上がっている。土地購入を巡って、マンション業者がホテル業者に競り負ける例が多い。特に駅の近くなど利便性の高い土地では、ホテル業者が非常に強気になる。競争入札が地価を押し上げ、それに伴う基準地価の上昇が、さらに次の入札価格を押し上げる。
地価上昇だけではなく、人件費や資材費が高止まり状態だ。
建築現場にも働き方改革の波がきて、人件費がかかっているのだ。1人当たりの労働時間が減り、これまでより多くの人手を確保する必要がでてきた。
値引き販売もあまり見られない。不動産大手の多くはオフィス事業が好調で経営余力がある。値引きはブランドイメージを悪くする。都心や駅近に供給を絞り込み、竣工前の完売には固執せずに何期かに分けてじっくりと売る戦略をとっている。
新築マンションの販売不振
新築マンションの売れ行きが悪い。首都圏の供給戸数は、以前の年間供給10万戸時代の3分の1になろうとしている。その上、売れ行きの目安である初月契約率が7割を割り込むことが常態化しており、5割を下回る月も出ている。価格が下がるリスクを顧客が気にしている。
中古市場の拡大
新築市場規模の縮小に対して、中古市場は拡大している。新築マンションの価格が高いからこそ、予算に合わせるなら中古マンションを選んだ方がいいと考えているのだ。その中でも売れ筋のマンション物件は、立地がよく、規模の大きな物件だ。これは最近の新築マンションでは満たしていない条件。だからこそ、人気があるのだ。
「新築か中古か」という選び方ではなく、立地がよく総戸数が多い「立派なマンション」を選ぶ時代になった。