2019年8月4日日曜日

タコ

タコは無脊椎動物の中では高い知能を持ち、子育てをする。

タコはその一生の最後に、1度だけ繁殖を行う。タコにとって、繁殖は生涯最後にして最大のイベントだ。相思相愛の2匹のタコは、抱擁し合い、生涯でたった1回の交接を行う。儀式が終わると間もなく、オスは力尽き生涯を閉じてゆく。交接が終わると命が終わるようにプログラムされている。

海に棲む生き物の中では、子育てをする生物は少ない。子育てするのもオスがほとんど。しかし、タコはメスが子育てをする。タコは母親が子育てをする海の中では珍しい生き物だ。

メスは、卵が無事にかえるまで、巣穴の中で卵を守り続ける。この間、メスは一切餌を獲ることもなく、片時も離れずに卵を抱き続ける。母ダコは、ときどき卵をなでては、卵についたゴミやカビを取り除き、水を吹きかけては卵のまわりの汚れた水を新鮮な水に替える。

子ダコのふ化を見届けると、母ダコは安心したように横たわり、力尽きて死んでゆく。

参考文献
生き物の死にざま (2019/7/11、稲垣 栄洋)